疲労・ストレス・眠れない…原因は自律神経の興奮

疲労のパターンが変わった…

経絡指圧治療室では疲労やストレスに由来する都会型の腰痛や不定愁訴なども治療対象にしています。昔は「都会型」などという言葉はなかったのですが、パソコンの普及に伴って現在は肉体疲労から精神疲労へと疲れのパターンが変わってきました。パソコンは作業の効率化をうたい文句で、各企業が挙って導入したものです。確かにこれまで分業して行っていたものが、パソコン一台で全て出来るようになりました。時間の短縮が可能になったわけです。しかしその結果何が起こったかと言うと、個人の仕事量の増大でした。分業なら手分けして自分の領分だけ行っていれば良かったものが、他人の領分まで行う(行える?)ようになりました。つまり作業量の増大です。パソコン導入によって皮肉にも労働時間が増えたわけです。こうして一日中デスクの前でパソコンを長時間見続ける生活が始まったわけです。

「何か調子が悪い…」症候群

20年ほど前は「肩こり・腰痛・ひざ痛」の方が主で、それも殆どが力仕事による疲れなどが原因でした。ですから原因も症状もハッキリしていて、指圧する側も分かりやすかったのです。ところがここ10~15年くらいから従来のような「肩こり・腰痛・ひざ痛」などは少なくなりました。変わって「どうも疲れる」「何となく調子が変だ」「原因は分からないけど肩がこる」「眠れない」…などの訴えの方が増えて来ています。来院される方も以前はご年配の方が多かったのですが最近は若い方が多いです。この変化はパソコンの普及とリンクしているようなのです。いわゆる「テクノストレス」というものです。

ある日突然起こる心の症状

パソコンの普及は社会を一変してしまいました。ところが体のほうはそれに着いて行けないようなのです。パソコンによる疲れは心の疲れです。そして心の疲れによるものは「肉体の疲れ」と違って休んでも疲れが取れない事です。そしてこれによる症状はある日突然起こるのです…。経験のある方も居ると思いますが、パソコンやスマホに長時間熱中するあまり、頭が急に爆発すると言うか、急に頭が煮詰まってパニック…。そんな経験はないでしょうか。私は何度かありました。そしてそれを周囲の人に話すと、意外と同じような経験をしている人が多かったのです。後で判ったのですが、それは熱中して眼を凝らしながらモニターを見続けた結果、体が緊張で強張り神経もピンピンに張りつめた結果、起こった症状なのだそうです。医師から言わせると、同じ緊張でもこのような緊張は不自然であり異常との事でした。パソコンやスマホの長時間の利用は、私たちを不自然な体にしてしまうのです。

指圧で心身ともにリラックス…

この現象は自律神経の乱れによるものです。なかでもその交感神経が興奮して、鎮まらないのが原因と言われています。自律神経は精神的な影響を受けやすいのです。そして一旦バランスを崩すと、なかなか戻らない…。厄介なものなんです。本来は心から「くつろい」で、リラックスできれば、交感神経のバランスも取れるのですが、この忙しい現代ではそれもなかなか難しいですよね。指圧には「くつろぎ」を与える効果があります。じっくりと穏やかな指圧の圧は、興奮した交感神経を鎮め、心身共にくつろいだリラックス感を味わえます。多少手前味噌になりますが、現代人のオアシス…。そんな風に感じています。

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