がんや難病、難しい病気でも指圧できる

 経絡指圧をしていると稀に「難しい病気」の指圧を依頼される事があります。難しいという意味は西洋医学でも手を焼くリスキーな病気という意味なんです。例えばガンであるとか重度の高血圧、難病…といったもの。私もこれまでの指圧人生で「難しい病気」の指圧を頼まれた事が何度かありました。巷のマッサージサロンでは妊産婦のお客さんを断る店があるんですが、私は治療経験がなくとも依頼されれば、それを一度も断りませんでした。

●自分にふさわしい病人が現れる…
 これは何も自分の腕を自慢をしたいわけではないです。 経絡指圧を学び始めた頃、恩師の増永先生から「指圧を始めると、必ず今のあなたのレベルに見合った患者が現れる。まずは肩こりから。そして腰痛。腕が上がるに連れぎっくり腰…その時のあなたにふさわしい患者が現れる」と教えられたからなんです。つまり「それはその患者の指圧をしろという事だよ」と指導されたからです。確かにその後、自分の前に現れた患者は肩こりを皮切りに腰痛、打撲や捻挫であり、手足の痺れであり確かに増永先生の言った通りでした。

しかしある時点から肩こりや腰痛の指圧を依頼される事はめっきりなくなり、代わって末期ガンとか激しい喘息、難病、エイズ、聞いた事のない病気などで依頼される事が増えてきました。どの病気も西洋医学でも難治の病気で、そのような難しい病気が一介の指圧師に治せるはずがないです。しかし「その時現れた患者がふさわしい患者…」なのだからと、心を決めて引き受けてみたんです。決して興味本位とか腕自慢からではなく、それが恩師の経絡指圧の指導方針だったからです。

●末期ガンの方から学んだこと
 末期ガンの方を指圧した時は体全体が引き締まりました。背中に家族の心配そうな視線をひしひしと感じたからです。そのような現場では小手先の技術など通用しないんですね。全身全霊、全力集中で病人と向き合うほか手がなかったです。でも無我夢中でその病人と格闘していると何かがつかめる。この時「指圧はただ治せばよいのではないんだ…」と知りました。その方は間もなく亡くなったのですが、文字にできない貴重な事柄を学ばせてもらいました。

「自分に合った患者…」というのは、決して自分が治せる患者ばかりではないです。指圧を通してその縁を大切にし、その方からたくさん教わる。つまり指圧は学びの場でもあると思います。

時折指圧の会員の方から「今自分の抱えている患者家族から、ぜひ難病の家族を指圧をして欲しいと頼まれました。どうしたら良いでしょう」と相談される事があります。その時の私の答えははっきりしています。

     自信をもっておやりなさい。それがあなたの大切な縁なのだから…。

と答えています。

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