指圧は手指の柔らかい部分を使います。ですから刺激もソフトです。たまに手技でどんなトラブルも数分でとか1回で治す…などの誇大広告を見る事がありますが、指圧ではそのような芸当は出来ません。治ったり改善したりするまで数回は掛かるのが普通です。「それじゃ、治るまで待てない」とお思いの人も居るでしょうが、私はコツコツ手間を掛けながら治って行くのが一番良いと考えている者なのです。その理由を説明します。
強い刺激で早く治す方が良い…?
速効で治すためには、刺激を強くしなければなりません。しかし病人や体力のない人に対し強い刺激で施術する事は、時にリスクを伴い事故の心配があるのです。これは体験された方も居ると思いますが、マッサージなどで強い施術されると後から具合が悪くなったり変調を感じたりする事があります。これは刺激が強すぎて体が反応した状態で、決してよい反応ではありません。手技療法は比較的副作用が少ないので、施術者は利用者の要望に応えようと強めの施術をしがちなのです。それがいわゆる「痛い施術」です。しかしそこにはリスクもあると言うわけです。
ソフトな施術のメリットは…
一方刺激を少し抑えてソフトに施術する事は、受けていて頼りない感じもしますがメリットもあるのです。そのメリットは3つあります。
1.相手が力まない。
2.施術事故が起きない。
3.トラブルやその他症状が治りやすい。
などがあります。多少弱い刺激でも安全を確保しながら、コツコツ積み上げるように治して行く…。時間は多少掛かっても、それが一番安全で確実な方法なのです。
ソフトな刺激というのは、豆を弱火でコトコト煮るようなもので、刺激こそ弱く時間も掛かりますが、その刺激はコリの芯まで到達するのものです。ですから体力が低下して、なかなか症状が取れない場合などには最適なのです。
現代人にはソフトな圧が最適
現代人は昔の日本人と比べて体力の低下が指摘されています。それだけ強い刺激には体がついて行きません。今の現代人には強い刺激よりも、ソフトな刺激の方が体に合っているのです。
現代の仕事は昔の仕事のような力仕事の割合は減りました。机の前に座って、一日中パソコンを相手に神経をすり減らして仕事をするケースが多いです。そのような神経疲れ(または気疲れ)がある時は、強い刺激で疲れを散らすよりも、その元となる深部のコリを解きほぐす方が効果的なのです。
自分に合った刺激の見極め方…
では自分に合った刺激はどう見極めたら良いのでしょうか。それは「快・不快」で見極めます。ある施術を受けていて、ご自分が快感、つまり「いい感じ」と感じた場合は、その刺激ははご自分の体に合っています。反対に不快、つまり「少し受け入れがたい」と感じた場合は、それは体が拒否しているサインなので体には合いません。この快感・不快感は痛みとは違います。例え痛くとも「気持ちイイ」と感じれば問題はありません。反対にソフトな刺激であっても「何となく気持ち悪い…」と感じた場合は不適となります。その部位の施術は止めてもらった方が無難です。こんな感じで判断してみて下さい。
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