3月24日の朝日新聞の一面に「腰痛患者 2800万人。8割は原因不明…心の悲鳴かも」という記事がありました。推定で40代から60代の4割が悩んでいるそうです。腰痛は日常だれにでも起こる一般的な病気ですが、でも2800万人とはすごいですね。腰痛はその原因を知る前に痛みが出て、次に「腰痛が出た」と判るケースが多いです。レントゲンを撮っても原因不明で、腰痛を訴える事も多いようです。そんな腰痛症のお話しです。
心の病と腰痛の関係
新聞の記事では、厚生労働省の研究班が調べた所によると、骨などの病気以外の腰痛は安静よりは運動がよいとの事でした。
運動不足の現代人にとってはもっともな指摘ですね。
でも面白いのは腰痛も「うつ」とか心の病気でも発症するという報告です。
これまで腰痛とストレスの関係はよく指摘されてきました。
でもうつ状態や人間関係でトラブルがある時も腰痛も治り難いというのもいかにも現代的ですね。
心の病があると、どうして腰痛が治り難いのでしょうか。
ストレスが腰痛を長引かせる…
「慢性腰痛」という言葉があります。腰痛が3ヶ月以上続く状態の事を指す言葉だそうです。慢性腰痛というのは
- 腰に異常がないのに痛みが続く
- 腰の異常は治ったのに痛みが続く
の2パターンがあります。
通常痛みが脳に伝達されると、脳内からドーパミンという物質が分泌されて、痛みの情報が遮断されて痛みが緩和されるんです。
しかし心の中に葛藤とかストレスがあったりすると、ドーパミンの放出が少なくなって痛みが緩和され難くなるのです。
それで少しの腰の痛みでも大きく感じたり、腰痛が長引いたりするわけです。
そして「なかなか治らない…」と言うストレスが益々増大し、さらに腰痛の症状が長引いたり一進一退を繰り返したりするんです。
これには多分に性格的な面もあるかも知れません。
関連記事を載せて置きましたので、関心のある方はご覧下さい。
腰痛は体の無理の総決算
東洋医学では腰痛は単に腰への負担というより、体全体の不摂生や無理の総決算と考えます。
ですからうつ症状で腰痛を発症するという事は、まず心身の無理が相当あると考えるんです。
そして疲労困憊となって、最後に腰痛となって「症状」が現れると考えるんです。
ですから治療は単に「腰」だけに止まりません。
まず体全体を見渡して、その疲れた所を癒しながら整えて行くという方策を取ります。
すると「腰」を治療する前に治ってしまう事も度々あるんですね。
これは先に疲れの元を絶つわけですから、当然の事なんです。
ですから、漢方薬の場合は腰の症状だけでなく、日常的な症状にも耳を傾け薬を処方するわけです。
すると腰の薬ではないのに、なぜか「腰痛」が治ってしまうと言う現象が起きる…。
指圧でも最初に「腰」に手を触れないで、まず全身をくまなく指圧します。
するとまだ「腰」に手を触れていないのに、腰痛が緩和して来ます。
これは疲れが溜まっている部分を、先に指圧で癒して整えたからなんです。
つまり全体を整えながら治療や施術を進めるんです。
すると治り易いんですね。
また内臓の失調から来る腰痛もあります。
関連記事を載せておきますね。
関連記事:なかなか腰の痛みが取れない.その対処法…
指圧で気持ちの状態を変える…?
「指圧のツボで心が変わりますか…」と聞かれる事があります。
完全ではないですが、気持ちも変わります。
東洋医学は心身一如の思想です。
つまり心と体は一体と考えます。
それは体の具合が悪い時は気分も悪いですし、体の具合が良くなると、気分も明るくなる…。
また気分が悪くなると、体調も何となく悪くなります。
これは私たちが日常実感している事です。
指圧や漢方薬で心身の疲れを取り、腰痛の状態を改善させると、それに伴って気分も良くなってくるのです。
多くの方は、腰痛の痛みが気分の阻害や神経過敏を引き起こしていると考えています。
しかしまず神経過敏を引き起こす原因が先にあって、二義的に肉体の変調(つまり腰痛)を起こしているケースもあります。
ツボを使うと、そのツボの反応でどんな精神状態かがおおよそ検討がつきます。
それによって、その腰痛が肉体的な要因がメイン(例えば重いモノを持ち上げた)なのか、精神的な要因(仕事場の環境や人間関係)がメインなのか推測ができます。
それを改善する事で、原因が掴めない腰痛も改善して行く事ができるわけです。
≪当会の沿革≫ 経絡指圧普及会・池袋治療室
当会は昭和63年に東京・国分寺市にてプロ指圧師の再教育の場として発足いたしました。業務内容は仕事に使える「全身指圧」習得のための入門、初級、中級の各種講座の『セミナー運営』と施術室での『指圧治療』です。特に治療では、古来から伝わる漢方式の施術を実践し、利用者の皆さんの体の不調を治す指圧を実践しています。
平成16年には活動の拠点を東京の池袋に移し、現在はインターネットやSNSで幅広く対応しながら、一方では設立の精神である「寺子屋」式にこだわり、人間臭いコミュニケーションを重視して経絡指圧の実践に努めています。
経絡指圧普及会:℡.03-3985-1060